公益財団法人 日本呼吸器財団:呼吸器疾患の病態解明・研究推進、啓発活動


公益財団法人 日本呼吸器財団
令和4年度研究助成のご報告

新規病原性肺胞マクロファージに着目したCOPDの炎症病態解明

研究代表者 東北大学病院・呼吸器内科病院講師 藤野 直也 先生

受賞コメント

慢性閉塞性肺疾患 (COPD) は、罹患率が高く、また世界的には死亡率も高い難治性呼吸器疾患です。ウイルス感染などを契機とした増悪とよばれる病態を反復することで、経年的に呼吸機能が低下していくことが知られています。肺には30種類を超える種々の細胞種が存在しており、お互いに協調しながら肺の恒常性維持に寄与しています。肺胞マクロファージは、肺胞内に存在する貪食細胞で、病原微生物等の排除、肺胞サーファクタントの維持などに自然免疫系に関与する細胞です。さらに、T細胞との相互作用を介した獲得免疫の調整、肺胞上皮細胞や線維芽細胞との相互作用による肺構築細胞の機能制御およびリモデリングにも関わる多様な役割を担う細胞です。本研究では、COPDの炎症病態における肺胞マクロファージの機能解析を進めていく予定です。

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